先日、誤って愛用のbluetooth イヤホン MDR-XB50BSをポケットに入れたまま洗濯してしまいダメにしてしまいました。
MDR-XB50BSは重低音重視のモデルで好みの音質で大きな不満もなく、とても気に入っていまして同じものを買い直そうかと検討したのですが、やはり新しいモノ、ガジェット好きとしては、最近話題の左右がケーブルで繋がっていない、左右分離型、完全ワイヤレス(トゥルーワイヤレス)のイヤホンをこのタイミングで試してみないわけにはいきませんでした。
そんなわけで2週間ほど利用してのERATO VERSEのレビューをお届けします。
※親機にはiPhone 6plusを利用しています。
INDEX
何故Bluetooth、そして完全ワイヤレスを選んだのか
僕のイヤホンまたはヘッドホン選びで最も大切にしていることは音質が良いBluetoothつまりワイヤレスであることです。
もちろん有線のほうが音が良いのは承知していますが、それ以上にスマホの利便性を維持することのほうが優先順位が高いのです。
特にスマホはポケットの中に入れたり、出したり動きが激しいものなので有線だと動きが妨げられ使い勝手が悪くなるのに耐えられないのです。
この記事を読んでいらっしゃる方もきっと充電しながらケーブルに繋がったスマホを操作した経験があると思いますが、とても使いにくいですよね。
また僕は物の扱いが雑でケーブルをすぐにダメにします。今まで一体何本の有線のイヤホン、Lightningケーブルやmicro USBケーブルをダメにしている事でしょうか。。。
そんなわけでコードレスに目覚めたのはとても早く、実はガラケー時代からBluetoothイヤホンやヘッドホンを使ってきました。今回購入したERATO VERSEでなんと7台目のBluetoothオーディオ機器の購入です。(スピーカーを合わせると12台目。。。)
またこの数年でBluetooth機器はver4.Xというバージョンに、aptxやaacといったコーデックに対応するようになり安定感が増した製品が増えました。
iPhone7から3.5ピンイヤホン端子か無くなりBluetoothを使い始めた人も多いと思いますが、Appleが3.5ピンイヤホン端子が無くなったのはBluetooth機器の接続安定度や音質がかなり上がってきたからとも言えるでしょう。
このようにスマホとイヤホンのケーブルが無い事に非常に利便性を感じてきたので更に進歩して、イヤホン左右のケーブルが無くなった世界を体感してみたかったのです。
各メーカーから充実してきた完全ワイヤレスイヤホン
11月にブログにもまとめたようにAppleのAirpods始め、Sony、BOSEなど大手オーディオメーカーから完全ワイヤレスのイヤホンが出揃い始めました。
僕が気になった完全ワイヤレスのイヤホンまとめはこちら
ネット上の口コミやブログなどを読んだり、何より世界中の街を歩いてみると完全ワイヤレスでは現状AppleのAirpodsが使い勝手とそのブランド力で圧倒的な人気で、発売してからずっと品薄が続いています。
それに続いて最近はノイズキャンセリングや音質を求める人がSonyなどを選んでいるように見受けます。
今回僕が選んだのはeratoというあまり聞き慣れないブランドです。何故eratoを選んだのでしょうか。
ERATOを選んだ理由
ERATOはあまり聞きなれないブランドですが、既に完全ワイヤレスのイヤホンをいくつもリリースしているブランドです。
そして調べたところ、
- 音質の評価(特に低音)が比較的どのレビューを読んでも高い
- カナル型(オープンイヤー型のAir podsは好みではない)
- ケースやイヤホン本体のデザインがとてもシンプルだった事
- 価格が完全ワイヤレスイヤホンとしては比較的手軽な価格設定(SONYやBOSEは25,000円ほどですがERATO VERSEは15,000円ほど)
- ケース、本体ともに小さい
が購入の決め手になりました。
また検討していた際、タイのバンコクに滞在中でガジェット市場、MBKに行って3000-5000円程度で買える安物をいくつか試したのですが、左右どちらか途切れる事が多い、接続が面倒、音質が悪いといったモデルしか見当たらず、買うのならばそれなりの値段を出す必要がある事がわかりました。
上のX2Tは4,000円ほどと安価で音質もそこそこ、試した中では割りとマシだったモデルですが、ちょっと首を振ると途切れると行った始末。。。
ちなみに2017年末のタイ、バンコクではERATOやSONY、BOSEといったブランドの完全ワイヤレスを取扱っているお店は見つかりませんでした。
使い勝手
最初のベアリングは左本体を長押ししてベアリング可能状態にし、右側のボタンを押して左右の接続が完了します。次にスマホなどからVERSE選択します。
このベアリングは1機器に対して一度だけなので多少面倒ですが問題ありません。やり方さえ分かれば難しくありません。
問題は2回目以降なのですが、AirPodsのようにケースから出したら自動的に接続というわけにはいきません。
ケースから出す時に前後ろにちょんちょんと倒してやるか、ボタンを押す必要があります。
これが地味に面倒です。説明書にあるちょんちょんと倒す方法では上手くいき接続されているのか、接続されていないのか、よく分からないのです。
最終的には耳に装着しながら左右両方のボタンを押しながら装着するようになりました。
耳に装着することにより
- スマホとの接続は”haed set connected”
- 左右の接続は”pair connected”
と案内が入ります。この方法は従来のBLuetooth製品と変わらないのですがスマホとの接続と左右の接続と2段階あります。
このあたりのUX(使い勝手)はAirPodsよりは良くないと言えるでしょう。いきなりですが一番のガッカリポイントです。
音の途切れ
完全ワイヤレスイヤホンというと、どのモデルも音の途切れが発生することが多数のレビューで書かれています。
このERATO VERSEも全くないわけではなく、それなりに発生します。といっても上記でも書いたようにMBKで試した3000-5000円ほどで買える安物に比べればかなりマシと言えます。
例えば部屋で安定した状況でスマホとイヤホンの間に障害がなければ殆ど途切れません。一人で部屋で聞くようなシーンだとほぼ問題無と言って差し支えないでしょう。
郊外の殆ど人がいないような場所でポケットに入れてランニングしながらというシーンでも殆ど問題はありません。
しかし満員電車の中や都心を歩いていると、音が片方だけほんの一瞬途切れます。すぐに回復するので我慢出来ないほど酷いわけではないですが。。。
ただ途切れるタイミング、原因がよく分からないのです。なんらかの電波に干渉しているのだとは思うのですが。。。またポケットの位置によっても切れ具合が変わります。iPhoneを後ろポケットより前ポケットに入れていた時のほうが安定する気がします。
このあたりは初期のBluetooth製品と同じように感じるので、もう少し時間を経て新製品になるにつれ、改善されていくのでしょう。
AirPodsを都心で使ったことがないので比較できませんが、残念ながらこの点に関しては若干不満が残るといったところです。
音の接続安定度は70点でギリギリ合格というのが僕の評価です。
低音強めの音質はほぼ期待通り
音質と言っても人それぞれ好みがあると思います。
僕の好みはHOUSE、TECHNO、ELECTRONIC、CHILL OUTな感じのLO-FIなHIPHOPなどが多く、イヤホンの音質で求めるのは綺麗でクリアな音よりも、迫力と低音、つまり重低音と呼ばれるものです。
この点においてフラットでキレイ目な音質のAppleのAir podsは僕の選択肢から外れてしまうのです。例え使い勝手やiPhoneなどとの相性がより優れていても。。。
以上を踏まえていただいて、ERATO VERSEの音質は個人的には満足できるレベルだと感じてます。iPhoneではAACという高音質なコーデックで接続され、結構広がりを感じる音で低音も響きます。
実は最初はスカスカに感じ購入は大失敗だったかなと感じたのですが、ERATO VERSEはしっかり奥にねじ込むように詰める事が大切です。これにより音の広がりと装着時の安定感が上がります。
ただ欲を言ってしまえばSONYの重低音モデルに慣れすぎてるか、音圧に少しだけ不満を感じます。決して悪くはないのですが。。。そこで、より音の満足度を上げるためイヤーチップをコンプライに変更し、iPhoneのイコライザを好みのもの(Dance)に変更しました。
イヤーチップと装着具合
ERATO VERSEは音の部分でも書いたように、耳の奥にしっかりねじ込む事が良い音と装着の安定につながります。
僕の耳には純正のイヤーチップではMだと少し大きすぎるのか、外れこそしないのですが、イヤホンを耳の外に押し出すような、外れそうな感覚が残ります。(実際走ったり、激しく首を振ったりしてもしてもハズレはしないのですが。。。)Sサイズに変えてみると今度は密着度が足りなくなるのか低音が足りなくなっていましました。装着感がイマイチよくないのはイヤーチップをはめる部分が太すぎるのも原因かもしれません。
比較している左は壊してしまったMDR-XB50BS。
そこでSONY時代にも愛用していた、よりフィット感を上げ、低音も増すコンプライのイヤーチップを試してみることにしました。
EARTO VERSEにCOMPLY T600を装着
以前使っていたSONY EX31BNやMDR-XB50BSでも利用してきたのがCOMPLYというスポンジのような素材で出来たイヤーチップ。よくあるシリコン製のイヤーチップより柔軟で耳の形に合わせてフィットするため遮音性と安定感、そして低音が強くなります。
今まで使ってきたSONYのイヤホンのサイズT300では合わないためT600というサイズを新たに購入し直しました。T600でもかなりキツめで少し無理やり入れる感じになります。ただし1度装着してしまえばイヤチップ自体の安定感は抜群!
純正のイヤーチップが若干耳に合わなかったという不満をCOMPLYに交換することにより解消することが出来ました。これで装着時の外れそうな感覚も殆ど無くなり、音質も満足度があがりました。
イヤホン本体での操作
左右にあるボタンのクリックすることで再生、停止、早送りなどが出来るのですが、正直使いにくいです。
イヤホンをねじ込むという特性上、考えて付けないとボタンのある位置が毎回変わります。
仮に任意の位置にあったとしてもボタンは小さく押しにくいです。これならばスマホ本体で操作したほうが良いでしょう。
通話
通話に関してはまだあまり試せていないのですが、室内での使用であれば、電話アプリはもちろんLINEなどのIP通話アプリでも充分に会話が出来ます。
ただし通話は何故か左耳でのみで行うようになっていて右側からは音が出ません。
youtubeアプリは明らかな遅延が発生する
僕のBluetoothイヤホンは音楽を聞く時だけでなく動画時などにも利用します。
そして何故かyoutubeアプリでの視聴だけ明らかな遅延が発生するのです。
何故かSafariから見たyoutubeやNETFLIXなどは許せるレベルなのですが。。。youtubeアプリも他のBluetooth機器では問題無かったので不思議です。。。
ケースと充電、バッテリーに関して
専用ケースは充分に小さく、ポケットにしまっても苦にならない大きさです。
充電は、イヤホン本体をケースで、ケースをマイクロUSBで行います。
バッテリーはイヤホン本体だけで3時間持つようになっています。
3時間という時間は少し短く感じるかもしれませんが、例えば通学や通勤で使用といった日常生活の用途であれば3時間連続で使用するというケースは意外と無いのではないでしょうか。
というのも使い終わったらバッテリーが内蔵されたケースに収納するという流れになり、自動的にイヤホン本体が再充電されるからです。ケースの充電を合わせると15時間ほど持つとのことです。
旅行など長距離移動だったり、職場やカフェで何時間も連続で使用するシーンだとやはり3時間という稼働時間は充分ではありません。このように使用するシーンを選んでしまうのがERATO VERSEの最大の弱点かなと感じます。
そんなわけで今後の旅では、普段使いはERATO VERSE、長距離移動時やパソコンに向かっての長時間の作業する時などは、以前使っていたノイズキャンセリング機能を備えたSONY EX31BNと併用してシーンで使い分けていこうと考えています。
まとめ
2週間使ってみてCOMPLYのイヤーチップに変更、イコライザの設定などを経て音質はかなり好みのものとなりました。音質に関して不満は殆どありません。
接続などの使い勝手はAirpodsなどと比較すると決してパーフェクトではありませんが満足出来るレベルです。
ただ落ち着きのあまりない僕は、本体はもちろんケースを無くしてしまいそうなのが怖いです。特に屋外での装着時と脱着時はイヤホンはとても小さく、丸っこいので妙に気を使います。
SONYやBOSEのモデルのようにスタビライザーがあるのは持ち運び時にケースごと大きくなり一見デメリットのようにも感じますが、装着時の安心感と外した時の取扱という面ではそれなりにメリットもあるように今になって思うところもあります。また洗濯してしまわないように気をつけなければなりません(苦笑
続いてバッテリーの問題ですが、やはり3時間しか持たないのは旅行やパソコンに向かって作業をする時には不向きで、全てのシーンにマッチするとはまだ言えないでしょう。
この2つのデメリットを考えるとコードがあるBluetoothイヤホンとは現時点では一長一短のようにも感じます。
さて長々と書いてきてなんとなく不満点のほうが多く上がっている気もするのですが、全体的には満足しています。一度装着してしまえばケーブルの煩わしさが全く無いのは想像以上に快適です。まるで何も装着していないようです。
このような新しいモノ、ガジェットを使うのが多分僕は好きなんでしょう(笑
やっぱり完全ワイヤレスイヤホンはまだ問題があるとは言え、イヤホンの最終形なのかなと感じます。例えば寝転がりながらの装着なども本当にストレスがありません。ドミトリーで寝る時なんかも重宝しそうです。
そんなわけでERATO VERSEは完全ワイヤレスのイヤホンが使いたい上、音質に拘りがある、Airpodsの音質では我慢できない、連続使用時間は短くても問題ないといったユーザーにオススメの商品です。
一方でこの条件が合致し音質に拘った完全ワイヤレスイヤホンをお求めならばコスパ的にも非常にオススメの商品と言えるでしょう。